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Posted by 京つう運営事務局  at 

2012年09月09日

「てったいや」

 先日、御来店下さったお客様とのお話です。

その方は、やけに茶作りにお詳しい御主人様でした。
私が、「茶業者の方ですか?」とお尋ねしたところ「俺は昔‘てったいや‘してたんや!」とおっしゃいました。

「てったいや」とは「手伝いさん」の訛りで、主にフリーの建築業助手のことで使われることが多いようですが、(上方落語に、てったいやのまたべえが登場しますね。)今回のお客様は、少し違った種類の「てったいや」さんです。

京都には、様々な特産品があります。代表的なのが宇治茶、伏見の酒、京野菜など…
今回の「てったいや」とは、その特産品収穫の最盛期にお手伝いをされに行く職業の方のことです。

春には乙訓(向日市や長岡京)にタケノコの収穫の手伝いに行き、5月に入ると宇治で茶作り仕事、(当時は製茶機械が無かったので、すべて手揉み茶)それを終えると、米の田植え仕事(これも当時は機械ではなく手で植えます)が待っています。

夏は野菜畑の手伝いや大工仕事をします。

秋は稲刈り(もちろん手作業)をし、終わるとすぐに冬が来ますので、伏見の酒蔵にこもり酒造りに励みます。

1年を通して様々な仕事をするてったいやさんは想像以上に器用な方でなければ務まりません。

幣園にも5月になると、てったいやさんが泊まり込みで来られていました。短い期間とはいえ、一晩中交代で手揉み茶製造をするのは、蒸し暑さと眠たさで「地獄の日々だった」とおっしゃっていました。

また、泊まり込み仕事で家を空けることが多かったので、家族には寂しい思いをさせた。ともおっしゃっていましたが、家族を想い一生懸命働く大黒柱の気持ち、そして父なしで家を守ってこられた奥様の絶え間ない御苦労を想像すると涙なしでは語れません。

素敵なお話を聞かせて頂きました。
  


Posted by 吉田  at 12:11Comments(0)お茶の話・行事イベント